SDGsとは、2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際目標です。地球規模で問題を解決し、未来をつくるための17のゴールと169のターゲットで構成されています。
私たち陶祖李参平窯では、この課題の中でも「⑫つくる責任、つかう責任」を意識しながら作陶し、社会が抱える問題解決の一助を担えればと思います。
李参平窯は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています
有田焼をつくるにあたり、地球の限りある資源をたくさん使います。
一つ目は、陶石。初代が発見した泉山の陶石は、400年の間に山が一つなくなるほどの量を掘削し有田焼に変えてきました。まだまだ掘ればあるとはいえ、いつかはなくなってしまう地球の資源には変わりありません。
二つ目は、水。陶土や釉薬・呉須どの素材にも水は必要な素材として使います。
三つめは、燃料。私たちは年に2回登り窯を使用していますが、その際には大量の薪を消費します。
このように、資源を使うことで発展してきた産業に携わる私たちは何ができるだろうと考えました。
今、弊窯は泉山土の技術研究を続けています。この研究を通して資源や技術を継続していくことの重要性を実感しています。
また、次の世代へどう継承していくのか、産業が続いていくためには、私たち世代のものづくりだけでなく、次の世代、そしてその次の世代とものづくりが出来る地球環境を守る必要があると考えています。
昨年2019年は、ギャラリーショップを現在の場所に構えて10年を迎えることができました。
その間、お客様と交わす会話の中でいろいろなお話を頂きます。
ある時、私たちの作品を大事に使って頂いているお客様から素敵な話をお聞きしました。
「李参平窯の器で食事をするときに、子や孫に器の話をするんですよ。気に入った器を使いながら、有田焼の歴史や私たちの住んでいる地域の話まで広がるから素敵ですよね。やっぱり、素敵な器は、飾るだけでなく使うことが大事だと思うんです。」
こうお話しくださったお客様は、本当に私たちの器を大切にお使いいただいています。
器は大切に使えば、孫の代そして次の世代まで、ほぼ永久に使うことができます。
これは究極のエコロジーではないでしょうか?
そして、プラスチック製品を使い捨てるよりも、器を継続して使うことで環境にも配慮した「私たちの豊かな食文化が守れる」と信じています。
私たちは、お客様が大切に使い続けたいと思える器をつくることで、SDGsの「⑫つくる責任、つかう責任」を全うしてまいります。
これからも、陶祖李参平窯をよろしくお願いいたします。
2020年 1月9日
陶祖李参平窯 十四代 李参平